1872年から5世代続く家族経営による
世界的トップブランド
1872年、キューバに創業。スペインのブランデーとシェリーのダイナミックな熟成に用いられる伝統的な技術「ソレラシステム」をラムに転用することで比類なきフレーバーを生み出し、それまでにないハイクオリティの熟成ラムのパイオニアとなりました。
アメリカの禁酒法時代は、キューバラム市場の50%を占めるまでに成長。
その後キューバ革命のため亡命を余儀なくされ、サトウキビの生育とラムの熟成に理想的な環境を探し求めた結果、
ドミニカ共和国という新天地で「マツサレム」ブランドが復興を遂げました。
酒類業界では大手企業による買収・統合が進む中、マツサレムは創業以来、
オーナーのアルバレス家が5世代に渡り守り続けている、数少ないトップブランドのうちのひとつです。
マツサレムの誕生
20世紀初頭、多くの起業家が集まるキューバの都市・サンティアゴ・デ・クーバの地に、スペインから移住してきたベンジャミンとエドゥアルドのカンプ兄弟とエバリスト・アルバレスの三人が、「流行に左右されず、時代を超えて愛される、忘れられない味」を目指し独自のレシピによるラムを生み出そうと決意しました。そして、故郷スペインのブランデーとシェリーのダイナミックな熟成に用いられる伝統的な技術「ソレラシステム」を世界で初めてラムに転用し、1872年、聖書に登場する969年生きたと伝えられる人物にちなみ「マツサレム」という名を冠したラムが誕生しました。ホワイトラム、ゴールドラムしかなかった当時、彼らのハイクオリティの熟成ラムは瞬く間に脚光を浴びるようになりました。
黄金時代
1920年~1930年代、キューバではナイトライフが活気に満ち、アール・デコ様式の建物であふれ、大陸から上流階級の豪奢な旅行が盛んとなり、「アメリカ大陸のパリ」と呼ばれていました。
折しもアメリカ大陸では禁酒法が施行されており、キューバの酒業界にとっては追い風となりました。
当時「マツサレム グランレゼルバ 15」はその品質の高さで「ラムのなかのコニャック」と称され大変人気を博し、1950年代には「マツサレム」ブランドがラム市場の50%を占めるまでになりました。
ソレラシステム
マツサレムの三人の創業者たちが、それまでにない新しいハイクオリティのラムを目指して取り入れた、スペインのブランデーとシェリーのダイナミックな熟成に用いられる伝統的な技術「ソレラシステム」。この熟成方法を世界で初めてラムに転用したのがマツサレムです。 創業の地キューバから新たな拠点として創業家が選んだドミニカ共和国は、気候条件がサンティアゴ・デ・クーバと非常に近く、またサトウキビの栽培にも適した理想的な環境を備えています。 ソレラシステムに使用する樽はマスターブレンダーにより厳選され、内側を軽くチャー(焦がす)ことで、独特の味わいと味の安定性を実現。「天使の分け前」と呼ばれる樽から蒸発する割合は年間4.5%です。
業界でも数少ない女性マスターブレンダー
現マスターブレンダーのシンシア・バルガスは、業界でも数少ない女性マスターブレンダーです。代々、創業家により指名されるこの役職は、ソレラシステムによるブレンドの調整や熟成に使用する樽のトーストの調整などの管理を行う、ブランドの根幹にかかわる非常に重要な任務を担っています。